交通事故を起こした時はどちらか片方の過失が10割や0割ということはほとんどなく双方に過失がある事故がほとんどになります。
その場合過失割合を決めますがその判断基準として「優者危険負担の原則」というものがあります。「優者危険負担の原則」は弱者を保護するという観点から歩行者や自転車、二輪車などの弱者の過失割合が小さくなるようになっています。
「優者危険負担の原則」の優者は、次のようになっており右に行くほど過失割合が大きくなります。「歩行者<自転車<バイク(原付を含む)<四輪車<大型四輪車(トラック)」より優者のほうが責任を負担する(過失割合が大きい)事になっています。
自動車保険の交通事故における「優者危険負担の原則」
優者危険負担の原則は弱者保護の観点により弱い者の過失割合を小さくするように働きます。
「歩行者<自転車<バイク(原付を含む)<四輪車(自動車)<大型四輪車(トラック)」で歩行者が一番の弱者であり四輪車が一番の優者となり一番過失割合が大きくなります。
また同じ四輪車であったも普通車よりも大型トラックのほうが過失割合が大きくなりますし、歩行者の場合でも子供や障害者、高齢者のほうより弱者になることから過失割合は小さくなります。
優者危険負担ごとの事故類型
優者機器負担の原則では下記の5つの事故類型に分類されています。
太字で表している方が過失割合が大きくなります。
- 歩行者と四輪車・単車との事故
- 歩行者と自転車との事故
- 単車と四輪車との事故
- 自転車と四輪車・単車との事故
- 四輪車同士の事故
「優者危険負担の原則」が存在する理由
「優者危険負担の原則」が存在する理由は弱者の保護をするためです。
道路交通法のより道路における危険の防止と交通の安全を目的としより強者に責任を課すようになっています。そのため強者と弱者の事故の場合でお互いの過失が同程度であっても強者のほうが過失割合が大きくなります。
簡単にいえば質量の大きい物は質量の小さい物の比べて「強者」ということになります。自動車でも普通自動車よりもトラックのほうが強者なるため過失割合が大きくなります。
自動車は「優者危険負担の原則」では一番「強者」にあたります。
車に乗っているときには、自転車や歩行者に対して常に「優者」になりますので、常に注意義務を怠ることなく最新の注意をして安全運転をしなければなりません。もし事故を起こした場合はそれを怠ったとして大きな過失割合となり責任をとることになるからです。